日本建築の「屋根形状」「屋根葺き材」について、ざっくり解説!

一級建築士試験 学科

こんにちは!

リーマン建築士の「たけし」です!

このブログでは、

H29年度に学科・製図ともに一発合格した私が「やってよかった」ということを紹介していきます。

今日のテーマは

【日本建築の「屋根形状」「屋根葺き材」】

覚えることが多い一級建築士試験は、深く覚えすぎるとハマりますww

ですから、
なるべくざっくりと覚えてしまう方が得点を取りやすいです!

今日は「日本建築の屋根形状・屋根葺き材」について
ざっくりお話ししていきます!

屋根形状

日本建築の屋根形状は、主に下の8つがあります⇩

日本建築の屋根形状
  1. 切妻屋根
  2. 寄棟屋根
  3. 入母屋屋根
  4. 方形屋根
  5. 腰折れ屋根
  6. マンサード屋根
  7. 片流れ屋根
  8. 陸屋根

それぞれ説明していきます!

切妻屋根(きりづまやね)

切妻屋根は、
「大棟から両側に流れをもつ」屋根形状です!

ちなみに、
”大棟”はココです⇩

大棟と平行になる面(屋根が葺き下ろされてる側)を”平(ひら)”
大棟と直角になる面(屋根を横から見た側)を”妻(つま)”
と言います⇩

妻側を切ったような屋根なので「切妻」と覚えましょう!

また、
妻(つま)面から建物へ入ることを”妻入り(つまいり)”
平(ひら)面から建物へ入ることを”平入り(ひらいり)”
と言います!

「大社造り(たいしゃづくり)」で有名な”出雲大社”は”妻入り”です!
「神明造り(しんめいづくり)」で有名な”伊勢神宮”は”平入り”です!

余談ですが、
平(ひら)や平入り(ひらいり)は神社で呼ぶ場合が多く、
一般戸建てなどでは、桁(けた)や桁入り(けたいり)と呼ぶことがほとんどです。

寄棟屋根(よせむねやね)

寄棟屋根は、
「大棟から四方に流れをもつ」屋根形状です!

ちなみに、
”大棟”はココです⇩

四方から屋根が棟に寄りにいってるような屋根形状なので「寄棟」と覚えましょう!

寄棟屋根は、世界各地の住宅で見られるくらい一般的な屋根のつくりです!
フランク・ロイド・ライト設計のダーウィン・D・マーティン邸
も寄棟屋根(正確には複数の寄棟屋根の複合型)です!

日本では古くから東日本に多く存在していて
”東屋(あずまや)”と呼ばれていたこともあります!

同じ読み方で”四阿(あずまや)”とも表現されます。

入母屋屋根(いりもややね)

入母屋屋根は、
「上部を切妻、下部を四方に流れをもつ」屋根形状です!

つまり、
寄棟屋根の上に切妻屋根が乗っかったような形の屋根です

入母屋屋根は、
寺院や城郭でよく使われる屋根形状です!

明治初期のリゾートホテルでもよく使われていた屋根形状です!

また、
四つの軒を持つので寄棟とともに”四阿(あずまや)”と呼ばれることもあります!

余談ですが、
”四阿”の”阿”は、棟という意味で、
棟から四方に軒を下ろしているから”四阿”です。

方形屋根(ほうぎょうやね)

方形屋根は、
「四つの隅棟が一点に集まった」屋根形状です!

ちなみに、
”隅棟”はココです⇩

方形屋根を真上から見ると”正方形”の形をしています!
”正方形”の正を取って「方形」と覚えましょう!
(読み仮名は(ほうぎょう)ですからね)

方形屋根は、
寺院でよく使われる屋根形状です!

歴史的建築物では、
法隆寺の夢殿”が有名です!

腰折れ屋根(こしおれやね)

腰折れ屋根は、
「勾配が上と下で異なり、下が急勾配」の屋根形状です!

北海道などの積雪地帯で、
雪が早く落ちるようにするときに使われる屋根形状です!

また、
屋根裏部屋を広くとるときにも使われる屋根形状です!

余談ですが、
イギリスやヨーロッパなどでは”ギャンブレル屋根”と呼ばれます。

マンサード屋根

マンサード屋根は、
「腰折れ屋根を寄棟のようにした」屋根形状です!

マンサード屋根は、
洋風の外観を形成するときに使われる屋根形状です!

余談ですが、
17世紀のフランスの建築家フランソワ・マンサールが考案したとされる屋根です。

片流れ屋根(かたながれやね)

片流れ屋根は、
「片方に流れ勾配をとった」屋根形状です!

片流れ屋根は、
積雪地域でよく使われる屋根形状です!

また、
最近では大容量の太陽光発電を搭載するときにも使用されることがあります!
(〇条工務店で大容量の太陽光を載せるときに使われてたりします)

陸屋根(りくやね)

陸屋根は、
「陸のようにフラット」な屋根形状です!

陸屋根は、
台風などの風に強い屋根形状です!

台風がよく直撃する沖縄では、
陸屋根の鉄筋コンクリート住宅も多いです!

ちなみに、
陸屋根の読み方は「りくやね」もしくは「ろくやね」です!

積雪地域の屋根

雪が積もる積雪地域の屋根には、次の2種類があります⇩

積雪地域の屋根
  1. 落雪屋根(らくせつやね)
  2. 無落雪屋根(むらくせつやね)

「落雪屋根」「無落雪屋根」のそれぞれの特徴は、
屋根勾配です⇩

「落雪屋根」の屋根勾配

「落雪屋根」の屋根勾配は、「4/10以上の勾配」

「無落雪屋根」の屋根勾配

「無落雪屋根」の屋根勾配は、「できるだけ平らな勾配」

「落雪屋根」は文字通り、屋根を下に落とす屋根のことです!
雪は雨と違って固形なので、あまり緩やかな勾配では下に落ちてくれません。
ですから、
4/10以上という急勾配で雪を落とすようにしています!

一方、
「無落雪屋根」は文字通り、屋根を下に落とさない屋根のことです!
屋根をなるべく平らに仕上げて積もった雪が下に落ちないようにして、
屋根にあるヒーターで雪を解かすものです!

屋根葺き材

屋根葺き材は、主に下の6つがあります⇩

屋根葺き材
  1. 日本瓦引掛け桟瓦 葺き
  2. 繊維強化セメント板 葺き(スレート瓦)
  3. アスファルトシングル 葺き
  4. 金属板瓦棒 葺き
  5. 金属板平 葺き(一文字 葺き)
  6. アスファルト防水

過去問の中で「一文字葺き」という言葉が登場してきますが、
これは「金属板平
葺き」の一種です!

それぞれの屋根葺き材の「屋根勾配」は、
下の表のようになります⇩

屋根葺き材屋根勾配
日本瓦引掛け桟瓦4/10
繊維強化セメント板3.5/10
アスファルトシングル3/10
金属板平(一文字)2.5/10
金属板瓦棒2/10
アスファルト防水1/100

過去問にもよく登場するのが
「金属板瓦棒 葺き」と「金属板平 葺き」の屋根勾配について問う問題です!

名前からすると”平”の文字がある「金属板平 葺き」の方が勾配が緩いように感じてしまいますが、
違います!
「金属板平 葺き」の方が、勾配はきついです!

理由は、
「金属板平 葺き」は、桟木が無いので、勾配を多めにつけないと雨水の流れが悪いからです!

「同じ金属板でも、”平 葺き”の方が勾配きつい
「名前とはうらはらにキツイやつ」
みたいに覚えましょう!

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