製図で使える「パッシブデザインの手法」をざっくり解説!

一級建築士試験 製図

こんにちは!

リーマン建築士の「たけし」です!

今日のテーマは

製図で使える「パッシブデザインの手法」をざっくり解説!

製図でつかうパッシブデザインについて知りたい!

どんな課題でも応用がきく基本形が知りたい!

昨今の一級建築士の製図試験では「パッシブデザイン」を取り入れることは必須条件です!

パッシブデザインは、建築的な工夫によって熱・空気・光といった自然エネルギーを有効に取り入れて
消費エネルギーを抑えたり快適な室内環境を整える設計手法です!

簡単に言えば
パッシブデザインは「自然の力」を利用する設計手法

そこで今日は、製図試験で使えるパッシブデザインをざっくり解説していきます!

作図時間が限られている試験なので「描くのが楽」なものを解説していきます!

また、人と違うことを狙うと墓穴を掘る試験でもあるので、
奇をてらわない「定番のもの」に絞っています!

わたしが描いた参考例も合わせて紹介していきます!

屋上緑化

屋上緑化をする場合は、基本的にはフラットな面で行います!

フラット屋根(陸屋根)なら断面図で表現すればいいですが、
問題文で勾配屋根を指定されていたら、どこかをフラットな下屋屋根にして、そこに屋上緑化ユニットを配置する方が無難です!

フラットな下屋屋根に屋上緑化ユニットを配置した平面図の参考例はこちらです⇩

これを断面図で表すと、こんな感じになります⇩

草をいちいち表現してたらキリがないので、
平面図では一部だけ描いて省略し、
断面図では点線で表現しました!

製図試験は時間との勝負なので、採点官に描いてあることが分かる程度で十分です!

屋上緑化の効果

屋上緑化の省エネ効果は「夏季の冷房負荷の低減」です!

太陽からの日射熱を直接受ける屋上面を緑化することで、その下の天井面へ伝わる熱量を緩和してくれるため、冷房負荷の低減になります!

計画の要点で記述するとしたら
屋根は、積極的に屋上緑化することで日射熱取得を抑え、冷房負荷低減を図った
こんな感じです!

屋上緑化の効果は
「夏季の冷房負荷の低減」

トップライト

トップライトは、断面図とかで描くだけでパッシブデザインを取り入れたことになるお得な手法ですww

下屋があるときや、屋根伏せ図を要求されている場合には、平面図にも記載が必要です!

トップライトを配置した平面図の参考例はこちらです⇩

これを断面図で表すと、こんな感じになります⇩

断面図で表現するときには、
必ず「自然採光を取り入れてますよ」「通風もできますよ」というアピールをすることを忘れないようにしましょう!

トップライトの効果

トップライトの省エネ効果は「自然採光による照明負荷の低減」「自然通風による空調負荷の低減」です!

トップライトからは日中通して自然の光が得られるため、照明をつけなくても明るさが確保できるので、照明負荷の低減につながります!

また、高い位置に開閉式の窓があることで圧力差換気の効果が得られるので、建物内に通風が発生しやすくなります!
特に中間期には、空調を動かさなくても建物内を快適にしやすくなるので、空調負荷の低減にもつながります!

計画の要点で記述するとしたら
トップライトを設けることで、日中の室内照度を自然採光により補い、照明負荷低減を図った
トップライトを設けることで、圧力差による換気を促し、中間期の空調負荷低減を図った
こんな感じです!

トップライトの効果は
「採光による照明負荷の低減」
「通風による空調負荷の低減」

吹抜+トップライト

トップライトがが吹抜の上部に設置されている場合、さらに効果は高まります!

照明負荷の観点からも、トップライトから得られた日中の光が下階まで届くので、より広い層に照明負荷低減が期待できます!

また、煙突効果も得られるので、圧力差換気の最たるものと言えます!

吹抜とトップライトが組み合わさった断面図の例はこんな感じです⇩

計画の要点で記述するとしたら
吹抜上部にトップライトを設けることで、各階の共用部を明るい豊かな空間に演出した
吹抜上部にトップライトを設けることで煙突効果により合理的に自然通風を確保した
こんな感じです!

「卓越風」があるときにも効果的

トップライトは、卓越風が問題文に出されたときに効果的です!

なぜなら、卓越風を利用した自然換気をアピールできるからです!

断面図を用いてアピールするなら、卓越風の風向きも断面図には記載しましょう⇩

地熱利用(クールピット)

クールピットは、べた基礎にしていたらその一部に「クールピットとして利用」と書くだけなのでとても簡単ですww

断面図で表現する参考例はこちらです⇩

クールピットの効果

クールピットの省エネ効果は「冬季および夏季の冷暖房負荷低減」です!

地面の中が年間通して約15℃という恒温性を活かし、そこを空調の給気に利用することで、空調負荷を低減することができます!

夏の15℃は涼しい、冬の15℃は暖かい、その空気を給気するから設定温度まで必要になる空調エネルギーが減るということです!

計画の要点で記述するとしたら
建物地下ピットをクールピットとし、空調機の外気を導入することで、地下の恒温性を利用した冬季および夏季の冷暖房負荷低減を図った
こんな感じです!

クールピットの効果は
冬季および夏季の冷暖房負荷低減

雨水貯水

地下ピットをクールピットではなく「雨水貯水槽として利用」と書けば、雨水利用した省エネ効果が期待できます!

断面図で描くとしたらこんな感じです⇩

雨水利用する省エネ効果としては、「断水時の中水利用の確保」です!

計画の要点で記述するとしたら
降雨時の雨水を地下ピットに貯める箇所を設け、断水時に便所等の洗浄水に使える中水利用ができる計画とした
こんな感じです!

雨水貯水槽の効果は
断水時の中水利用の確保

庇(南面)

建物の庇を出すことで、夏季の日射遮蔽をアピールすることができます!

夏季の日射遮蔽に有効なのは、南面の庇であることは学科の勉強のときに習いましよね!

夏に太陽が南中するときの太陽高度はおおむね60°です!

ですから、60°の日差しを遮れるように庇を出すことがポイントです!

たとえば、
床面から庇までの高さが2.5mある場合、庇の長さは1.5mほど必要になります⇩

断面図で表現するとこんな感じです⇩

庇を出すことで夏季の日射を遮蔽していることをアピールしましょう!

庇(南面)の効果

庇(南面)の省エネ効果は「夏季の冷房負荷低減」です!

特にペリメーターゾーンの負荷低減に効果的です!

計画の要点で記述するとしたら
南側開口部には十分な長さの庇を計画し、夏場の日射熱取得を抑え、冷房負荷低減を図った
こんな感じです!

庇(南面)の効果は
夏季のペリメーターゾーンの冷房負荷低減

1m以上庇を出すときは、建築面積に算入することを忘れない!

参考例で示したように、
庇を1m以上出す場合は、建築面積に算入されるので注意が必要です!

エスキスの段階からその点を考慮しておくことが必要です!

1m以上の庇は建築面積に算入されるので注意!

まとめ

製図でつかえるパッシブデザイン手法として、どんな課題でも使えそうなオーソドックスなものを紹介してきました!

凝ったことをせずにオールマイティに対応していく力も、製図試験では必要です!

今日紹介した手法は次の5つです!

今日紹介したパッシブデザイン
  • 屋上緑化
  • トップライト
  • 地熱利用
  • 雨水貯水
  • 庇(南面)

屋上緑化の効果は次のとおりです!

屋上緑化の効果は
「夏季の冷房負荷の低減」

トップライトの効果は次のとおりです!

トップライトの効果は
「採光による照明負荷の低減」
「通風による空調負荷の低減」

クールピットの効果は次のとおりです!

クールピットの効果は
冬季および夏季の冷暖房負荷低減

雨水貯水の効果は次のとおりです!

雨水貯水槽の効果は
断水時の中水利用の確保

庇(南面)の効果は次のとおりです!

庇(南面)の効果は
夏季のペリメーターゾーンの冷房負荷低減

5つの手法とその効果を基本形として、課題に合わせてアレンジしていくことで応用がききます!

本番でどんなことが問われてもいいように、頭の中はできるだけフラットにしておきましょう!

応援してます!

頑張ってください!!

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